まあそれは当たり前って言えば、当たり前なんだけどね。

あたしはみんなと本当の兄妹ではない。

この出生の秘密を知ったのは去年。

初めて知ったときは正直戸惑った。

そして悲しくて、泣いていた。

だけど血のつながりなんて関係ない、そう言うふうにみんなが受け止めてくれたから。

りっちゃんたちのお母さん、一ノ瀬幸の妹である唯ちゃんがあたしの本当なお母さん。

そして唯ちゃんがまだ学生だった時に出会った神崎暁君とのあいだにあたしができた。

同時まだ二十歳だった二人。

周囲の大反対を押し切って、あたしを産んだらしい。

そして退院する雪の日、スリップ事故に巻き込まれて亡くなった。

それからお父さん、一ノ瀬太一があたしを引き取って育ててくれた。

そんなわけで今はみんなとほんとうの兄妹みたいに生活している。



「愛ー!おはよっ!」

校門をくぐると向こうから走ってやってくるのは親友のほのちゃん。