ほのちゃんと久住君も言う。

「聡太の家は?」

葉ちゃんが浅丘君に聞いた。

「別にいいよ。確かその日、恵海のピアノの発表会のリハーサルとか言って親いないから。」

「よっしゃ、じゃあ決定!聡太の家でバスケ部赤点回避の会を開きまーす!」

「赤点回避なのはお前と一ノ瀬くらいだけどな。」


何はともあれ、こうして浅丘君の家で勉強会は開催されることになりました。


浅丘君の家に来るのは春休み以来の二回目。

相変わらず綺麗。

「あれー?皆さんお揃いで。」

台所に入ってきたのは弟の涼太君。

確か今年受験生の中学三年生になったんだっけ。

「おう、涼太!久しぶり!」

「おじゃましてまーす。」

みんな顔馴染みみたい。

「涼太もここで勉強するか?」

葉ちゃんが言うと涼太君は首を横に振った。

「俺には専属の…」

なにか言いかけたとき

ピンポーン

チャイムがなると涼太君は一目散に玄関に向かって走っていった。