あれ?

そうだったの?

「明日も古文あるでしょ?予習できないと大変だから、今から持ってく!」

え!?

今から?

「そんな、いいよ!明日でも…」

「ダメダメ!古文の先生予習できてないとうるさいし。外に出て待っててくれない?」

まあ、たしかに古文の先生が面倒なのは本当だけど。

「わかった!気をつけて来てね!」

あたしは電話を切ると下に降りる。

「愛、どこ行くの?もう九時くるよ。」

お風呂からちょうど上がった優兄。

「えっと、友達が忘れ物届けてくれるんだって。家の前まで来てくれるらしいから、ちょっとだけ出てくるね!」

りっちゃんに見つかるとまためんどくさそうだから、音をたてないようにこっそり外に出る。

「愛ちゃん!」

葉ちゃんが自転車に乗ってこちらに向かってくる。

早い!

すぐ行くとはいっていたけど、早いな!

「ちょうど親のお使い行ってて。はい、これ。」

葉ちゃんから古文の文法書を受け取る