すると久住君はため息をついた。

「いいよ、聡太がヤキモチやくから。」

浅丘君が?

「あいつ、結構独占欲強いと思う。」

そうなの?

そんなふうには見えないけど。

「愛ー、ドリンク持ってくの手伝って!」

ようやく水谷君に解放されたらしいほのちゃんに呼ばれた。

「はーい!」

浅丘君、今日誘ってみよう。

少し緊張するけど、たまにはあたしから一緒に帰ろうって言ってみよう。


「聡太ー、かーえろ!」

はっ!

先越された…

「愛!何やってんのよ!愛奈に負けちゃってもいいの?」

でももうあの二人、帰るみたいだし…

「ほら、早くしなきゃ行っちゃうよ?」

もう誘えないよ…

「今日はちょっと、あっ!そうだ!あたし、帰りにお使い頼まれてたんだ!帰るね!」

口早にそう言うとなるべく愛奈ちゃんと浅丘君を見ないように走って体育館を出た。

はあ…

何やってんだろ、あたし…