浅丘君!

「すげえアプローチだよな、委員会まで同じにするとかさ!それに優大が愛ちゃんには聡太がいるって言ってんのに聞く耳持たないし。」

「そうなの?」

ほのちゃんが聞いてくる。

「そんな!…」

ちが、わなくはないけど…

てもあのひと、きっとあたしのことからかってるだけだもん!


「おーい、何やってんだ!練習はじめんぞ!」

部室の外から真兄の声がした。

「あっ!真先輩!」

ほのちゃんがまっさきに飛び出していく。

どうしよう。

誤解、されちゃったかな?

いやいやいや、そんなうぬぼれちゃダメかな?

ちらりと、浅丘君の顔を盗み見る。

「俺らも行こうぜ。」

「おう。」

大丈夫、だよね?

きっと浅丘君は気にしないもん。

あれ、なんだか少し虚しい…

いやいやいや!

そんなことない!

気のせい!

よし、部活の仕事に集中するぞ!