「二人は知り合いなの?」

「小さい頃通ってたスイミングスクールが同じだったんだよ。翔、どけよ。もうすぐチャイム鳴るから。」

「えー!やだ!俺ここがいい!」

「しつけえな。早くどけって。」

そんなやりとりを聞いていると、チャイムが鳴り、仕方なく柚之木君は席に戻っていった。

新学期早々、濃いキャラの人にあったなぁ。

いや、前にあったことあったんだっけ。

「一ノ瀬、お前ちゃんと翔に言えよ。付き合ってるやついるってこと。」

久住君が飽きれるようにため息まじりに言う。

か、彼氏…

そっか、あたしには付き合ってる彼氏がいるんだ。

浅丘君というとても素敵なあたしにはもったいない彼氏が!!

よし!

次にもし絡まれたらちゃんと言おう!

はじめが肝心だもんね。

それにあの人、きっとあたしのことをからかっているだけだよ。

あんなモテそうなイケイケのリア充っぽい人があたしみたいな奴に絡むことじ大変だもん!