「でも思い切ったよね。婚約破棄って。」

「そんなにストレートに言います?」

「あ、悪い。」


先輩はしまったという顔をしてこちらを見る。

「でも別れて正解じゃない?」

「何でそう思うんですか?」


先輩と光希って、そんなに接点あったっけ。


「まあね~、俺も職業柄いろんな人見るしね。大体のその人の性格とかはわかるよ。」

「そういうものですか。」

「うん、まあ如月まだ若いし。まだまだこれからでしょ。」

「励ましてくれてます?」


相馬先輩は仕事で話す程度でそこまで仲が良いわけでもなかったけど、きっといい人なんだろうな。

だってこんなよく分からない後輩を励まそうとしてくれているんだから。

「ま、なんかしんどかったら言えよ。仕事のサポートとかはできるし。」

「ありがとうございます。」