「如月って酒強いのな。」

「いや、そうでもないと思いますよ。この間もつぶれてたようなもんですし。」

「あんな量飲んだら誰だって潰れるだろ。」

「確かに。」


あの日を思い出して少し苦笑いする。

先輩とのごはんは気を使う事もなく、ほとんど仕事の話をしていた。


すると

「おじゃましまーす、俺も混ぜて~」

と言って、お店の店長さんが椅子に座る。

「あ、店終わり?」

「うん、今日はもうクローズ。」

2人の会話に辺りを見渡せば、私たち以外にもう人はいなくなっていた。


「え、帰った方がいいですよね。すみません気付かなくて。」

「いーのいーの。俺も飲みたかったし気にしないで。お姉さんお名前は?」

「如月 瑞希です。」