「朝早くからサボりか?」
昨日ぶりに聞いた声に振り返る。
「相馬先輩。」
「あ、わり。如月だったんだな。」
そう言いながら先輩は自販機でコーヒーを買って休憩スペースからいなくなってしまった。
「え、何?」
香奈は不思議そうな顔をして私と立ち去る先輩を見つめている。
「いや、昨日たまたまね。私と光希が話してたところ見られちゃったから。唯一他に事情知っている人かも。」
「そうだったんだね。」
納得したような顔をして香奈はそれ以上何も聞かずにいてくれた。
自分のデスクに戻ってから仕事を進める。
あ、そういえばまたお礼言い忘れてる。
午前中の仕事も落ち着いた頃、オフィスの1階にあるカフェへ向かいコーヒーを買う。