「うん...。」


私の反応を見て、香奈はそっと休憩スペースに連れて行ってくれた。

私の目の前にココアがスッと出される。


「ありがとう。」

「何があったの?大丈夫?」

「うん、昨日婚約破棄しちゃった。」

「え!?何で!?」

「んー、なんか全部めんどくさくなっちゃった。嫌だって言ってることもやめてくれないし。そもそも結婚の話について進展なかったからさ。本当に結婚する気あるのか分からなくなっちゃって。そしたらもう、口走ってた...。」


自分で話しながらもやっぱり涙が滲んでくる。

香奈は私の手を握りしめながら話を聞いてくれていた。


「そっか。でも頑張ったね。沢山悩んでたの知ってるから。」

「でもさ、何にも連絡もないなんて笑っちゃうよね。」


私が笑うと香奈は心配そうな顔を見せる。

「無理して笑わないで。大丈夫だよ。」

「うん、ありがとう。」