「じゃ、また明日な。」

駅までの道のりはすぐで、駅に着くと先輩はそう言い残して別のホームに向かっていった。


ぼーっとその姿を見つめていた。

先輩の姿が遠くなってから、お礼を言えていないことに気が付いた。


明日会った時にお礼しないと。


とりあえず電車に乗り、家に帰る。


電車に揺られながらスマホを開く。

メッセージアプリを見ても、何一つ届いていない。


あぁ、やっぱり私って光希に必要とされていなかったんだな。


そう考えると涙で視界が滲む。

ちょうど涙が流れそうになった時、自分の最寄り駅に着いた。


下を向きながら改札を通って駅を出る。

家までの道のりは涙がぼろぼろと溢れてきた。