いくら国王様の命令でも、利益にならない王女様を娶ることはしないのが兄である。まぁお飾りでもいい、という考えもまた、否定できないけれど。
「だからといって、何の魔導具かも知らずに受け取るのがバカなのよ。案の定、意のままに転落していったわ」
「……ありがとうございます。私の代わりに復讐していただき」
「本来なら、貴女にそれを見せてあげたかったわ。けれど止められたの。貴女には綺麗なものだけを見せたいからって」
「ケイティ王女様!」
後から聞こえてきた声に、顔が熱くなった。
「あと、クライド兄様もよ。自分の我が儘に付き合ってもらったからって」
「……そうですか」
「だから、ヘイゼルにもこれを」
そうして鞄から出されたのは、小さな鐘だった。チリンと綺麗な音色を奏でる。
「だからといって、何の魔導具かも知らずに受け取るのがバカなのよ。案の定、意のままに転落していったわ」
「……ありがとうございます。私の代わりに復讐していただき」
「本来なら、貴女にそれを見せてあげたかったわ。けれど止められたの。貴女には綺麗なものだけを見せたいからって」
「ケイティ王女様!」
後から聞こえてきた声に、顔が熱くなった。
「あと、クライド兄様もよ。自分の我が儘に付き合ってもらったからって」
「……そうですか」
「だから、ヘイゼルにもこれを」
そうして鞄から出されたのは、小さな鐘だった。チリンと綺麗な音色を奏でる。