ケイティ夫人、いや王女は王女とは思えない発言に私は啞然としてしまった。けれどケイティ王女は我関せずと謂わんばかりに、私の目の前に座る。
 いやそれだけではない、私の前に置かれたお茶を飲み干したのだ。用意が間に合わなかったといえ、王女のやることではない……。さすがクライド殿下の妹君といったところだろう。

「どうしたの? これで貴女は晴れてファンドーリナ公爵となるのに。ううん。間接的とはいえ、貴女を虐げていた人物を追い出したのよ。もっと喜びなさい」
「はっ! よ、喜ぶ以前に、何故私が公爵に? 女性は爵位を継げないはずですよ」

 色々聞きたいことがあったが、まず自分に関することを質問した。