あれだけ唐揚げを食べられるなら体調が悪いようではなさそうだが、普段は賑やかな人が静かだと気になるものだ。

「ハヤトくんとミツキちゃんはどんな人達?」
『隼人は一言で説明するのは難しいな』
『イケメンなのは間違いない。沙羅、隼人を見て気絶するなよぉ?』

 悠真の言葉を星夜が引き継いだ。いつの間にか回復した星夜がニヤリと笑っている。

「やっぱりイケメンの友達はイケメンなんだ……」
『で、美月ちゃんがこれがまためっちゃくちゃ可愛いんだぜ! もちろん沙羅もめっちゃくちゃ可愛いよ! 沙羅が犬系なら美月ちゃんは猫系の可愛さ?』
『美月ちゃんは可愛いよりは美人系じゃねぇの?』

口の悪い海斗までもが“ハヤトの彼女のミツキ”を称賛している。

(イケメンの彼氏がいてあの海斗に美人と言わせるミツキちゃんて……一体どんな美女なのっ? 私と仲良くしてくれるかな……)

『美月ちゃんは確かに綺麗な子だけど、気取ったところがなくて性格は穏やかだから沙羅と相性はいいと思うよ』

皆から伝えられるハヤトとミツキのあまりのスペックの高さに気後れしていた沙羅は悠真のフォローで安堵した。

 それにしても晴が『いただきます』と『ごちそうさま』以外の言葉を一言も話さない食卓はルームシェア開始から初の事態だ。

夕食が済んでリビングでくつろぐ三人よりも先に自室に引き揚げた晴のことが沙羅は気掛かりだった。