夕食の時間、五人揃っての“いただきます”を聞くと温かい気持ちになる。本当に本物の家族みたいだ。

『海斗と星夜、お前ら明日予定ある?』

 悠真が海斗と星夜に尋ねた。海斗は沙羅の唐揚げを頬張りながら答えた。

『明日は空いてるけど何?』
『隼人と美月ちゃんが家に来るから沙羅に二人を紹介しようと思って』
『えー! 美月ちゃん来るの? 俺、明日は予定ありなんだよ。なんでもっと早く言わないんだよ悠真ぁー!』
『昨日の夜、隼人と電話した時に決まったことだ。まぁ星夜は隼人よりも美月ちゃんに会えないから残念がってるんだな』
『当たり前だろー。ああ……俺の美月ちゃん……またすれ違いだ』

クールな悠真も騒いだ後に沈み込む星夜を見て苦笑いしている。

「ハヤトくんが悠真達のお友達でミツキちゃんがハヤトくんの彼女さん?」
『そうだよ。最初に隼人と友達になったのは晴で、晴を通じて俺も隼人と友達になったんだ』

 そういえばいつも賑やかな晴が今夜は静かだった。帰宅した時は元気だったのに今は黙々と唐揚げを口に運んでいる。