晴は冷蔵庫の中にある鶏肉に気付いて歓喜していた。

『ただいま。今日差し入れでプリンをもらったんだ。沙羅、食べる?』

四人組で最も落ち着いている悠真が沙羅にプリンの入る箱を差し出した。

「お帰りなさい。プリン食べる食べる! 悠真ありがとうっ!」
『ほどほどにしねぇと太るぞ』

プリンの箱を抱える沙羅を見て海斗が意地悪く笑う。海斗は甘い物が苦手のようだ。

「太らないように気を付けるもんっ!」

 海斗の意地悪に頬を膨らませつつプリンを冷蔵庫にしまい、急いで唐揚げの支度に取りかかった。

五人分の肉を揚げるのは楽じゃない。やっと十二個揚げたタイミングで率先してキッチンに立つ悠真にバトンタッチ。
慣れた手つきで唐揚げを揚げていく悠真の姿はイケメン度が何割も増している。

『明日ここに友達連れて来てもいい?』
「もちろんだよ。ここは悠真の家でもあるんだから、私に気を遣わないでいいんだよ」
『ありがとう。沙羅は明日出掛ける予定は?』
「特にないよ」

 沙羅はキッチンカウンターの隅に置かれた卓上カレンダーを見た。今日は4月18日土曜日、明日は19日の日曜日だ。
明日はUN-SWAYEDの四人も仕事が休みになっている。

『じゃあ家に居てもらえるかな。俺達の友達を沙羅に紹介したいんだ』
「わかった! ……俺達? お友達って悠真だけじゃなくて他の皆とも友達なの?」
『ああ、友達は俺と晴の高校の同級生。紹介したいのはそいつと、そいつの彼女。彼女は沙羅と同い年で優しい子だから、すぐに仲良くなれるよ』

悠真と晴の高校の同級生とその恋人。どんな二人なのか今から楽しみだった。