四人の中で料理ができるのは悠真と星夜。この二人は朝食を作ってくれたり夕食の用意も手伝ってくれる。悠真が料理上手なのはイメージ通りだったが星夜が調理の手際がよかったのは意外だった。

海斗と晴に包丁は持たせてはいけないと悠真に念押しもされた。こちらの二人は料理はまるでダメらしい。

 味噌汁と付け合わせの物が出来て後は唐揚げを揚げるだけになった頃に玄関が賑やかになった。

『ただいまー』

ひときわ大きな声でリビングに入ってきたのは星夜と晴。星夜は一目散に沙羅に抱き付いた。

『沙羅ー! 会いたかったよぉー!』
「お、おかえりなさい……」

 ルームシェア開始から1週間、星夜のただいまのハグは毎度のことだ。スキンシップの激しい星夜には少し困るが、困るだけで嫌ではないのが不思議だった。

『離れろ。ここはフランスじゃねぇんだよ。いちいちくっつくな。暑苦しい』

 海斗が星夜を沙羅から引き剥がして強制連行する光景も毎度お馴染み。