『葉山さん。やはりこういった大事なことは先に言っておいた方が……』
『そうだねぇ。いずれ沙羅が気付いてびっくりするのを楽しみにしていたんだけど僕がアメリカに行ってから気付いても沙羅の驚いた顔を見れないからね。今びっくりさせておこうか』

悠真と行成の意味深なやりとり。まさかまだ隠し事が?

『あのね沙羅。彼らがUN-SWAYEDなんだよ』

 今日は何度、父の言葉に思考を停止させられたことだろう。“彼らがUN-SWAYED”?

「えーっ!」

今日一番の絶叫が葉山家に響いた。沙羅の叫びに海斗が顔をしかめたのは言うまでもない。

「嘘っ? え? ほんとに? お父さん本気でこの人達がUN-SWAYEDって言ってる? UN-SWAYEDって言ったら芸能人だよっ?」
『本気本気。メンバーの名前が一致してるでしょ。それに沙羅にはいつも忘れられているけれどお父さんの本職は?』

 沙羅の驚愕の顔を行成は面白がって眺めている。音楽系企業の社長をしている行成の本職?

「……音楽プロデューサー」
『UN-SWAYEDをプロデュースしたのは?』
「……お父さん」
『大正解! これでお父さんと彼らの関係はわかったよね?』

父がUN-SWAYEDの総合プロデューサーなのは知っている。父とUN-SWAYEDに繋がりがあっても不思議ではない。

「でも……」

 沙羅は目の前の四人組を見た。この四人が本当にあのUN-SWAYED?