結城星夜は童話の中の王子様、目付きの悪い男は闇の魔導師。
そして残る二人ももれなく美形。
ひとりはワイルドな雰囲気があり、短髪の黒髪をワックスで遊ばせている。もうひとりは対照的にサラサラの茶髪、四人の中で誰よりも落ち着いていて物腰が穏やかな美形だった。

これだけでドラマが一本撮れそうなメンバーだ。だからついに父はホスト業でも始めるのかと思った時には既に声に出ていた。

『まず説明しないとね。今日からこの四人がうちに住むことになったんだ』
「住むって……どこに?」
『“ここ”に』

 にこやかに微笑む行成と沈黙する沙羅。数秒間、黙考した沙羅は意味を理解した途端に立ち上がって叫んだ。

「お父さん本気っ? ふざけるのもいい加減にして!」
『ぜーんぜん、ふざけてないよぉ』

その口調とその態度はふざけているとしか思えない。沙羅は顔を真っ赤にして四人組を指差した。

「なんでこの人達がうちに住むの? だいたい部屋はどうするの!」
『二階にちょうど四つ部屋があるだろ?』
「あっ……」

 マンションのオーナー特権か最上階の特権か、何故だか知らないが沙羅の自宅はマンションなのに二階がある。階数としては二十階に当たる。