翔悟は帰宅してすぐ、布団に潜り込んだ。
母親から零司が帰ってこないらしいがなにか知らないかと訊かれたが、知らないふりをしておいた。
零司はどうなったのだろう。
名前を呼んでも、返事はなかった。
もしかしたら、零司はもう──。
……そうだとしても、仕方のないことだ。
零司は丸谷月乃にひどいことをした。
丸谷月乃のノートを盗み、その上、彼女の死をずっと面白がっていた。
まよなかさんの──丸谷月乃の欲しいもの。
真夜中が欲しい。
真夜中は、0時。
それって、零司のことだったんじゃないか。
まよなかさんは別れ際に、ありがとうと言っていた。
それはつまり、まよなかさんの願いが叶ったということではないだろうか。
零司には悪かったかもしれないけれど、自業自得だ。
気に病むことなんてない。
翔悟は自分を納得させるように言い聞かせて、眠りにつこうとする。