朝ごはんを食べ終えると、洗面所へ向かう。
いつも通り軽くメイクをすると、緩く巻いた髪をハーフツインにセットした。
この髪型は最近推してるインフルエンサーがしてたんだよね。
それで真似してみたら……何人かの女子にぶりっ子だとか言われたけれど。
自分が気に入ってるので、そんな声は聞こえない。
お洒落をするのは、完全なる自己満足だ。
男子にちやほやされたいわけではない。
まぁそりゃ、可愛いって言われたら悪い気はしないけどさ。
……あー、はやく高校生になりたいな。
そうしたらすぐにバイトしてー、今よりいいコテとか、メイク道具とかたくさん買って。
服とかアクセサリーとかもたくさん集めて。
制服着崩したりなんかして、全力でJK楽しむんだ~。
鏡に映る自分の完璧なヘアセットを見て、満足していると。
──ぐらっ
視界が少し、歪んだ。
いわゆる、めまい。
一瞬周りの物が二重に見えて後ろに倒れそうになったので、咄嗟に洗面台を掴んだ。