昔々ある集落に、1人の魔女がおりました。
魔女には意中の男がいましたが、残念ながらそれは片思い。
男には他に好きな女がおりました。
男の想い人は、それはそれは美しく、誰もを虜にしてしまう少女でした。
失恋した魔女は、怒りの矛先を迷わず少女に向けました。
少女が15歳になる日。
魔女は少女に魔法をかけました。
それは──ハタチまでしか生きられなくなる、残酷な魔法。
魔法にかかった少女は……なんということでしょう。
残り短い人生を精一杯彩るかのように、その美しさを爆発させました。
まだ蕾だった少女は、駆け足で大輪の花を咲かせたのです。
とてつもない色香を纏った少女は、すれ違うだけで男の理性を奪うほどに魅惑的でした。
透けるような白銀の髪に、ルビーのような赤い瞳、見るからに柔らかな肌。
少女はやがて、”バニィ”と呼ばれるようになりました。