「ええ! エレオノーラお嬢様が本日卒業なされば、王太子レイモン殿下との結婚式もすぐですわね!」

 ……はい。私が会場で婚約破棄される卒業式、なんと今日だった! えー! 嘘でしょう。婚約阻止とヒロインとの無関係を築くこと、もう絶対無理で断罪不可避だわ。

「そっ……そうね。もうすぐよね」

 ……うーん……これでは、断罪というか婚約破棄を免れることは、もう無理なのね。

 けど、漫画の後日談、主人公同士の会話シーンで派手好きで貴族であることに誇りを持っているエレオノーラは、田舎暮らしさせられていて、毎日泣いているという描写があった。

 これは、犯罪にも近い嫌がらせを重ねた悪役令嬢の末路なのに、はっきり言ってしまうとぬるい。悪役令嬢ものを死ぬほど読んで居た私は、これは断言できる。

 多分、断罪ランキングで言うと、一番軽い方の田舎追放。

 それに、田舎送りになることに関しては、私自身はそれほど悪くないと思う。田舎暮らし、とても良いじゃない。そもそも人が少なくて土地が広いから、人に会わなくてすむし、空気も良くて過ごしやすいだろう。