「だから、なんだ。僕らは婚約者同士、何の問題もあるまい」
「……問題あり過ぎですぅ! 無理なんで! もう! 本当に!」
涙目の私がそう叫んだら、小さく舌打ちをしつつ、レイモンは身体を引いてくれた。
「ごめんなさい……忘れていた訳ではなくてですね……て」
転生してきたばかりで、記憶がなかったんです……なんて、ここで言える? 無理だよね? 無理すぎない?
本当に馬鹿過ぎる私は、ここで理由をレイモンに真っ正直に説明しようとして、異世界で生まれ育った彼にそれを理解してもらうなんて、無理なことに気がついた。
「て……? て、なんだ?」
圧が強い。王族の圧が強い!
「てっ……てててて、手を繋ぎたいなーって……えへ」
私だって、心からなんだそれはと思いながら、これを言いましたー!
「手を、繋ぎたい?」
レイモンは私の手首から手を離し、良くわからないけど両手が指を絡ませる恋人繋ぎになった。
……何これ……! 何これ! 本当に、何なの? 聞きたいのは、言われたレイモンの方だよね!
「……問題あり過ぎですぅ! 無理なんで! もう! 本当に!」
涙目の私がそう叫んだら、小さく舌打ちをしつつ、レイモンは身体を引いてくれた。
「ごめんなさい……忘れていた訳ではなくてですね……て」
転生してきたばかりで、記憶がなかったんです……なんて、ここで言える? 無理だよね? 無理すぎない?
本当に馬鹿過ぎる私は、ここで理由をレイモンに真っ正直に説明しようとして、異世界で生まれ育った彼にそれを理解してもらうなんて、無理なことに気がついた。
「て……? て、なんだ?」
圧が強い。王族の圧が強い!
「てっ……てててて、手を繋ぎたいなーって……えへ」
私だって、心からなんだそれはと思いながら、これを言いましたー!
「手を、繋ぎたい?」
レイモンは私の手首から手を離し、良くわからないけど両手が指を絡ませる恋人繋ぎになった。
……何これ……! 何これ! 本当に、何なの? 聞きたいのは、言われたレイモンの方だよね!