「最初にどんなものを入れるのかを想定して、容量を決めているんだ……。すごいね、おじいさん」
「おじいちゃんの魔法のかばんは人気だからね!」
エッヘンと胸を張る姿を見て、ラルフはくすりと笑う。それから二人はたくさんお話をしながら、それぞれ食事を楽しんだ。
「そうだ、はい、読んで良いよ」
朝ごはんを食べ終えたアシュリンが、魔法で手をきれいにしてから本をラルフに差し出す。
彼も同じように魔法で手をきれいにしてから、そうっと本を受け取った。
「ここで読んで良い?」
「いいよー」
アシュリンの言葉を聞いて、ラルフは本の表紙と裏表紙を確認してからぱらりとめくった。一枚目は白紙で、二枚目には目次がかかれている。
『アシュリンの旅立ち』
『アシュリンとお友だち』
と書かれているのを見て、ふっと笑みをこぼすラルフ。
三枚目から本文のようで、可愛らしい絵でアシュリンとノワールのことが描かれていた。内容を目で追いながら、ぱらりぱらりとページをめくる。
そして、自分が出てきたことに少し驚いたように目を丸くし、軽く頬をかいた。
「ぼくのこと、お友だちと思ってくれているの?」
「お友だちでしょ? 名前で呼び合って、こんなふうに一緒にいるもん」
それが彼女の友だちの定義なのか、とラルフは納得したようにうなずいた。大人しく本を眺めていたルプトゥムも、自身の姿がかわいらしく描かれていることに気付いて、本をじーっと見つめる。
『そんなに見つめても、絵は変えませんよ!』
「我、もう少しカッコイイのでは? かわいいではなく……」
『変えません!』
断固拒否されて、ルプトゥムはしゅんとうなだれた。
「おじいちゃんの魔法のかばんは人気だからね!」
エッヘンと胸を張る姿を見て、ラルフはくすりと笑う。それから二人はたくさんお話をしながら、それぞれ食事を楽しんだ。
「そうだ、はい、読んで良いよ」
朝ごはんを食べ終えたアシュリンが、魔法で手をきれいにしてから本をラルフに差し出す。
彼も同じように魔法で手をきれいにしてから、そうっと本を受け取った。
「ここで読んで良い?」
「いいよー」
アシュリンの言葉を聞いて、ラルフは本の表紙と裏表紙を確認してからぱらりとめくった。一枚目は白紙で、二枚目には目次がかかれている。
『アシュリンの旅立ち』
『アシュリンとお友だち』
と書かれているのを見て、ふっと笑みをこぼすラルフ。
三枚目から本文のようで、可愛らしい絵でアシュリンとノワールのことが描かれていた。内容を目で追いながら、ぱらりぱらりとページをめくる。
そして、自分が出てきたことに少し驚いたように目を丸くし、軽く頬をかいた。
「ぼくのこと、お友だちと思ってくれているの?」
「お友だちでしょ? 名前で呼び合って、こんなふうに一緒にいるもん」
それが彼女の友だちの定義なのか、とラルフは納得したようにうなずいた。大人しく本を眺めていたルプトゥムも、自身の姿がかわいらしく描かれていることに気付いて、本をじーっと見つめる。
『そんなに見つめても、絵は変えませんよ!』
「我、もう少しカッコイイのでは? かわいいではなく……」
『変えません!』
断固拒否されて、ルプトゥムはしゅんとうなだれた。