「きゃぁあっ!」
「アシュリン!」
ぎゅっと目を閉じて、顔をかばうよう手をクロスさせるアシュリン。ノワールの声が地下室に響いた。だが、いつまで経ってもなにも感じない。
それを不思議に思い、おそるおそる目を開けると目の前には見たことのない本がアシュリンの目の前に浮いていた。
ぷかぷかと浮いている本を目にして、ぽかんと口を開ける彼女に対し、本はくるりくるりと自在に部屋の中を舞っている。
「ほ、本がかってにうごいてるー!」
『ああ、やっと私のご主人さまにあえた! さぁあぁ、私とともに旅立とうではありませんか!』
興奮したようにパタパタとページを動かす本に、アシュリンは眉を下げてノワールを見る。ノワールは大きなため息を吐いて、ぷにぷにの肉球を彼女の頬に押し当てた。
「落ち着いて、アシュリン。この本はきみにあぶない本ではないから」
「あ、あぶなくないの……?」
『私はご主人さまの絵本ですよ! あぶないわけありませんっ!』
ショックを受けたようにぱたんと本を閉じてしまうのを見て、アシュリンはそうっと手を伸ばして本に触れる。触れた瞬間、パチンとなにかが弾ける音がした。よぉく目をこらして本を見てみると、表紙に『アシュリン』と自分の名が浮かび上がってきて、彼女は「えええーっ?」と大きな声を上げる。
「アシュリン!」
ぎゅっと目を閉じて、顔をかばうよう手をクロスさせるアシュリン。ノワールの声が地下室に響いた。だが、いつまで経ってもなにも感じない。
それを不思議に思い、おそるおそる目を開けると目の前には見たことのない本がアシュリンの目の前に浮いていた。
ぷかぷかと浮いている本を目にして、ぽかんと口を開ける彼女に対し、本はくるりくるりと自在に部屋の中を舞っている。
「ほ、本がかってにうごいてるー!」
『ああ、やっと私のご主人さまにあえた! さぁあぁ、私とともに旅立とうではありませんか!』
興奮したようにパタパタとページを動かす本に、アシュリンは眉を下げてノワールを見る。ノワールは大きなため息を吐いて、ぷにぷにの肉球を彼女の頬に押し当てた。
「落ち着いて、アシュリン。この本はきみにあぶない本ではないから」
「あ、あぶなくないの……?」
『私はご主人さまの絵本ですよ! あぶないわけありませんっ!』
ショックを受けたようにぱたんと本を閉じてしまうのを見て、アシュリンはそうっと手を伸ばして本に触れる。触れた瞬間、パチンとなにかが弾ける音がした。よぉく目をこらして本を見てみると、表紙に『アシュリン』と自分の名が浮かび上がってきて、彼女は「えええーっ?」と大きな声を上げる。