精霊族のタルコットはアシュリンの人差し指ほどの大きさしかなく、彼女の手のひらによいしょっと声を出しながらよじのぼる。落とさないように、とアシュリンはポケットの中にタルコットをそうっと入れた。
「前が見える?」
「大丈夫です! 重くはないですか?」
「全然重くないよー」
アシュリンのマントの胸ポケットに入ったタルコットは、彼女を見上げた。視線に気付いたアシュリンがにこっと笑うと、照れたように微笑み返す。
タルコットはきれいな空色の髪に、紫色の瞳をしていた。
どうやら滑り台で遊んでみたかったけれど、とても高い滑り台だったので何日もかけてあとちょっとまで、というところにたどりついたのだが、強風で階段から足を踏み外してアシュリンに助けられたらしい。
「身体が小さいと大変だね」
自分の背だってあまり高いほうではないが、さすがにアシュリンの人差し指ほどの精霊族であるタルコットの苦労を想像すると、なぐさめるような言葉が自然と出た。
「まぁ、慣れてはいるので……それに、精霊の力を使えばなんとかなるものも多いですから」
「そういえば、タルコットはどんな精霊なの? わたし、精霊族って初めて見るからくわしくないの」
「人間さんの近くにはあまり姿を見せませんから……」
「前が見える?」
「大丈夫です! 重くはないですか?」
「全然重くないよー」
アシュリンのマントの胸ポケットに入ったタルコットは、彼女を見上げた。視線に気付いたアシュリンがにこっと笑うと、照れたように微笑み返す。
タルコットはきれいな空色の髪に、紫色の瞳をしていた。
どうやら滑り台で遊んでみたかったけれど、とても高い滑り台だったので何日もかけてあとちょっとまで、というところにたどりついたのだが、強風で階段から足を踏み外してアシュリンに助けられたらしい。
「身体が小さいと大変だね」
自分の背だってあまり高いほうではないが、さすがにアシュリンの人差し指ほどの精霊族であるタルコットの苦労を想像すると、なぐさめるような言葉が自然と出た。
「まぁ、慣れてはいるので……それに、精霊の力を使えばなんとかなるものも多いですから」
「そういえば、タルコットはどんな精霊なの? わたし、精霊族って初めて見るからくわしくないの」
「人間さんの近くにはあまり姿を見せませんから……」