「まぁ、いいけど……それじゃ、とりあえず休憩スペースまで行こうか。きみはこの辺に詳しいの?」
「ノワールが詳しいの。わたしは詳しくないよ」
ひょいとノワールを抱き上げて、ずいっとラルフの前に出した。彼はじっとノワールを見て、そうっと手を伸ばして頭を撫でる。
「それはかしこい使い魔だね」
『あのー、私のこと忘れていませんかー?』
しょんぼりとした声を上げるのは、本だった。ずっとアシュリンとラルフの近くをくるくると回っていたが、まったく気にされていないことに気付いたのかどこか哀愁を漂わせてアシュリンの顔の近くにきた。
「ごめんごめん。フォーサイス家ってことは、本の旅だね」
『その通り! ご主人さまの物語を紡ぐのが、私の役目!』
「一日一回、魔力を流すだけなんだけどね」
「休憩スペースについたら、見てもいい?」
「いいよ!」
そんなわけで、アシュリンとラルフは一緒に歩き出した。目的地はこの先にある休憩スペース。
ノワールはぴょんと地面に着地し、自分の足で歩き出す。
「そういえば、きみはどうして空じゃなくて街道を歩いているの?」
「人間は足があるんだから、歩くべきだっていうフォーサイス家の教育方針!」
「なるほど。素晴らしい教育方針だね」
ラフルに家の教育方針を褒められて、アシュリンはえへへ、と嬉しそうに表情を綻ばせた。
「ノワールが詳しいの。わたしは詳しくないよ」
ひょいとノワールを抱き上げて、ずいっとラルフの前に出した。彼はじっとノワールを見て、そうっと手を伸ばして頭を撫でる。
「それはかしこい使い魔だね」
『あのー、私のこと忘れていませんかー?』
しょんぼりとした声を上げるのは、本だった。ずっとアシュリンとラルフの近くをくるくると回っていたが、まったく気にされていないことに気付いたのかどこか哀愁を漂わせてアシュリンの顔の近くにきた。
「ごめんごめん。フォーサイス家ってことは、本の旅だね」
『その通り! ご主人さまの物語を紡ぐのが、私の役目!』
「一日一回、魔力を流すだけなんだけどね」
「休憩スペースについたら、見てもいい?」
「いいよ!」
そんなわけで、アシュリンとラルフは一緒に歩き出した。目的地はこの先にある休憩スペース。
ノワールはぴょんと地面に着地し、自分の足で歩き出す。
「そういえば、きみはどうして空じゃなくて街道を歩いているの?」
「人間は足があるんだから、歩くべきだっていうフォーサイス家の教育方針!」
「なるほど。素晴らしい教育方針だね」
ラフルに家の教育方針を褒められて、アシュリンはえへへ、と嬉しそうに表情を綻ばせた。