アシュリンと自分の使い魔に言われて、しぶしぶと起き上がったのはアシュリンよりも背の高い男の子だった。
太陽の光できらきらと輝く銀色の髪に、住んでいた村を思い出す深緑の瞳を持った少年は辺りを見渡す。
「もうちょっとって、どこまで?」
「もうちょっとはもうちょっとだよ。休憩スペースがある場所まで、一緒にいくね。わたしもそこで休憩する予定だったから」
「寝られたらどこでも良いんだけどなぁ……」
ふわぁ、と大きな欠伸をする男の子に、アシュリンは目をぱちくりと瞬かせ、それから自分も立ち上がった。
「えっと、……あっ! わ、わたし、アシュリン。アシュリン・フォーサイス。キミの名前は?」
「ぼく? ぼくはラルフ・クラーク。見ての通り、旅人さ」
自分のことを人差し指でさして、男の子はラルフと名乗った。どこかで聞いたことがあるな、と思いぽんと手を叩く。
「クラークって、神殿都市の?」
「よく知ってるね。そうだよ。十二歳になったから、旅立ってみたんだ。荷物が重くて体力が回復するまで寝ようと思っていたんだけど……」
「街道で寝るのはあぶないよ?」
「空よりはましだと思うよ」
くつくつと肩を震わせて笑うラルフは、自分の使い魔の背中を撫でた。
確かに空を飛べる人は、空をほうきにまたがって飛ぶので、陸路のほうが人は少ない。少ないだけで人は通るから、やっぱり危ないと思ってアシュリンは眉を下げる。
「困った主だろう? そっちは違いそうだな」
「うちの主は慎重なほうだよ」
使い魔たちがそう話しているのを聞いて、ラルフは後頭部に手を置いて「あはは」と誤魔化すように笑った。
太陽の光できらきらと輝く銀色の髪に、住んでいた村を思い出す深緑の瞳を持った少年は辺りを見渡す。
「もうちょっとって、どこまで?」
「もうちょっとはもうちょっとだよ。休憩スペースがある場所まで、一緒にいくね。わたしもそこで休憩する予定だったから」
「寝られたらどこでも良いんだけどなぁ……」
ふわぁ、と大きな欠伸をする男の子に、アシュリンは目をぱちくりと瞬かせ、それから自分も立ち上がった。
「えっと、……あっ! わ、わたし、アシュリン。アシュリン・フォーサイス。キミの名前は?」
「ぼく? ぼくはラルフ・クラーク。見ての通り、旅人さ」
自分のことを人差し指でさして、男の子はラルフと名乗った。どこかで聞いたことがあるな、と思いぽんと手を叩く。
「クラークって、神殿都市の?」
「よく知ってるね。そうだよ。十二歳になったから、旅立ってみたんだ。荷物が重くて体力が回復するまで寝ようと思っていたんだけど……」
「街道で寝るのはあぶないよ?」
「空よりはましだと思うよ」
くつくつと肩を震わせて笑うラルフは、自分の使い魔の背中を撫でた。
確かに空を飛べる人は、空をほうきにまたがって飛ぶので、陸路のほうが人は少ない。少ないだけで人は通るから、やっぱり危ないと思ってアシュリンは眉を下げる。
「困った主だろう? そっちは違いそうだな」
「うちの主は慎重なほうだよ」
使い魔たちがそう話しているのを聞いて、ラルフは後頭部に手を置いて「あはは」と誤魔化すように笑った。