アシュリンはてくてくと街道を歩いていた。
そばにはパタパタと忙しい本と、黒猫のノワールが一緒だ。村を出てから一週間ほど経ったが、特に困ることなく旅をしている。
「……あれ?」
街道に、なにかが落ちている。それなりに大きそうだ。
ごしごしと目をこすって、ノワールと本に話しかける。
「ねぇ、あそこになにか落ちてない?」
街道を指さすと、ノワールが「……落ちてるね」とアシュリンの言葉に答えた。
『人のようですよ?』
「えっ、たいへん!」
『人と……使い魔、のようです』
アシュリンは本の言葉を耳にして、急いで駆け寄った。ちょっとだけ息が上がってしまったが、それどころではない。
「だいじょうぶですかっ?」
遠目だったからわからなかったが、本が伝えた通り、人と使い魔が街道で倒れていた。アシュリンはしゃがみ込んで声をかけたが、反応がない。ドクンドクンといやな音を立てる鼓動を落ち着かせようと、何度か深呼吸をしてから再び声をかけた。
「しっかりしてください! だいじょうぶですか!」
「……お嬢さん、ちょっと力を貸してくれないかい?」
おそらく倒れている人の使い魔が、のっそりと声をかけてきた。その声が低くて、アシュリンはびくっと肩を震わせる。
「魔力をわけてくれ」
「魔力を……? どうやって?」
「我の身体に触れて、注いでくれるだけでいい」
そばにはパタパタと忙しい本と、黒猫のノワールが一緒だ。村を出てから一週間ほど経ったが、特に困ることなく旅をしている。
「……あれ?」
街道に、なにかが落ちている。それなりに大きそうだ。
ごしごしと目をこすって、ノワールと本に話しかける。
「ねぇ、あそこになにか落ちてない?」
街道を指さすと、ノワールが「……落ちてるね」とアシュリンの言葉に答えた。
『人のようですよ?』
「えっ、たいへん!」
『人と……使い魔、のようです』
アシュリンは本の言葉を耳にして、急いで駆け寄った。ちょっとだけ息が上がってしまったが、それどころではない。
「だいじょうぶですかっ?」
遠目だったからわからなかったが、本が伝えた通り、人と使い魔が街道で倒れていた。アシュリンはしゃがみ込んで声をかけたが、反応がない。ドクンドクンといやな音を立てる鼓動を落ち着かせようと、何度か深呼吸をしてから再び声をかけた。
「しっかりしてください! だいじょうぶですか!」
「……お嬢さん、ちょっと力を貸してくれないかい?」
おそらく倒れている人の使い魔が、のっそりと声をかけてきた。その声が低くて、アシュリンはびくっと肩を震わせる。
「魔力をわけてくれ」
「魔力を……? どうやって?」
「我の身体に触れて、注いでくれるだけでいい」