そんなフェリシアの様子を、遠くから見つめている青年がいた。手を振るフェリシアを見たまま動かななくなった青年を見て、同僚の騎士たちは笑った。
「お前、入ったばっかだもんな。そうなるのもわかるぜ。俺もはじめて見た時はそうだったからよ、ははは。」
「俺もだ。美しいよな、フェリシア様は。ちゃんと見ておけよ、アラン。」
アランと呼ばれる青年は、3日前に第3部隊へ配属されたばかりの新人騎士だ。アランは大会が開始してからも貴賓席にいるフェリシアから目が離せなかった。
「アラン、準備しろ。もうすぐだ。」
「は、はい!」
アランは剣を手に取って、試合の行われる会場に向かって歩いて行った。
会場に入ってきたアランを見つけたマリウスは、サーシャから書類を受け取った。この大会は階級や部隊に関係なく誰でも参加する事ができるが、入隊間もない新人が参加することは少ない。アランは第3部隊の隊長の推薦で参加していた。
「彼の初戦だね。」
マリウスはアランが無事に初戦を突破できるように祈った。
オペラグラスで会場を隅々まで見渡していたフェリシアは、1人の騎士に目が釘付けになった。剣捌きも素晴らしいが、とにかく顔が良くて体が良い。めちゃくちゃタイプだ。フェリシアは会場全体を見渡すのをやめて、彼の試合に集中した。
隣でワーキャー言いながら会場にいる騎士たちを食い尽くさんとするまでの勢いを見せていたフェリシアが突然静かになった。どうしたのかと思ってフェリシアの方を見ると、前のめりになって一箇所を見つめている。
「サーシャ、思った通りだよ。」
サーシャは、マリウスに言われてフェリシアが見ている方向を見つめた。騎士たちが懸命に戦っている。優勢なのは、隊長の推薦で参加しているアランという騎士だ。
「さすが、殿下。しかしこの先は苦戦しそうですね。」
「そうだね。でも勝ち上がって欲しいな。」
マリウスは、大会の参加者に関する書類を見ていたとき、アランこそがフェリシアのタイプだと気づいていた。アランがたとえ優勝できなかったとしても、王太子の権力を使ってアランをフェリシアと接触させようと勝手に決めていた。
だが優勝してくれればそんな強引なことはしなくて済む。できることならアランに優勝してもらいたい。しかし優勝できるかどうかは本人次第だ。
「お前、入ったばっかだもんな。そうなるのもわかるぜ。俺もはじめて見た時はそうだったからよ、ははは。」
「俺もだ。美しいよな、フェリシア様は。ちゃんと見ておけよ、アラン。」
アランと呼ばれる青年は、3日前に第3部隊へ配属されたばかりの新人騎士だ。アランは大会が開始してからも貴賓席にいるフェリシアから目が離せなかった。
「アラン、準備しろ。もうすぐだ。」
「は、はい!」
アランは剣を手に取って、試合の行われる会場に向かって歩いて行った。
会場に入ってきたアランを見つけたマリウスは、サーシャから書類を受け取った。この大会は階級や部隊に関係なく誰でも参加する事ができるが、入隊間もない新人が参加することは少ない。アランは第3部隊の隊長の推薦で参加していた。
「彼の初戦だね。」
マリウスはアランが無事に初戦を突破できるように祈った。
オペラグラスで会場を隅々まで見渡していたフェリシアは、1人の騎士に目が釘付けになった。剣捌きも素晴らしいが、とにかく顔が良くて体が良い。めちゃくちゃタイプだ。フェリシアは会場全体を見渡すのをやめて、彼の試合に集中した。
隣でワーキャー言いながら会場にいる騎士たちを食い尽くさんとするまでの勢いを見せていたフェリシアが突然静かになった。どうしたのかと思ってフェリシアの方を見ると、前のめりになって一箇所を見つめている。
「サーシャ、思った通りだよ。」
サーシャは、マリウスに言われてフェリシアが見ている方向を見つめた。騎士たちが懸命に戦っている。優勢なのは、隊長の推薦で参加しているアランという騎士だ。
「さすが、殿下。しかしこの先は苦戦しそうですね。」
「そうだね。でも勝ち上がって欲しいな。」
マリウスは、大会の参加者に関する書類を見ていたとき、アランこそがフェリシアのタイプだと気づいていた。アランがたとえ優勝できなかったとしても、王太子の権力を使ってアランをフェリシアと接触させようと勝手に決めていた。
だが優勝してくれればそんな強引なことはしなくて済む。できることならアランに優勝してもらいたい。しかし優勝できるかどうかは本人次第だ。