これを嫌だと思ってしまう心の変遷を、あの子にどうやって説明すれば良いんだ。リンゼイの思考回路がだんだんとわかり出しただけに気が遠くなる。

 複雑な思いにはなるものの、そういった難しいところのあるリンゼイでないと、俺はここまで好きにはなっていないかもしれないので、それを吐き出すように無言でため息をついた。

「……レオ。これから、なんだか大変だね」

 ジョヴァンニは別に揶揄うでもなく、素直にそう思ったようだった。

「……俺も、そう思う。けど、仕方ないだろう」

 こういう難しい女の子だとわかっていて好きになっているので、覚悟を決めるしかない。

 恋愛下手というか、人の気持ちを読むのが壊滅的に下手な女の子を好きになってしまったという紛れもない事実を噛み締めつつ、俺は大きくため息をついた。

 多分、そんなリンゼイと付き合えば、これから何をどうすれば良いか迷うような……そういう簡単ではない彼女を、攻略したくなってしまったのだから仕方ない。


Fin