「そのために長いこと耐えたね。食堂の時には、色々我慢出来ずに、何か言い出しそうだったのに」

「ああ。正直に言うとジョヴァンニを殺そうかと思ったことは、これまで何度かあるな」

 俺がジョヴァンニに視線を向けると、わざとらしく渋い表情になった。

「おいおい。レオがそれ言うと、全く洒落になってないよ。やめてくれよ。僕は言われた通りに動いていたし、常に二人の味方だっただろう?」

 ……そうだったかもしれないし、そうではないかもしれない。だが、結果的にはすべては上手くいっている。

「……これに相応しい礼はするよ。ジョヴァンニ」

「レオに恩が売れるなんて、あまりない機会だから、僕は楽しかったよ。誕生日まで引っ張った理由は、リンゼイのドレス姿でわかったからね。君からの独占欲が溢れていて……」

「どこかの誰かが邪魔しなければ、我が邸の月の見えるバルコニーで、告白が書かれた手紙入りの贈り物を受け取っていたんだよ。リンゼイはそういうシチュエーションが、好きそうだったから……」

「……レオは本当に、リンゼイの事が好きなんだね。確かにあの子は喜びそうだ」