「……ご協力、ありがとう」

「いえいえ。どういたしまして。レオ。良かったね」

 偶然廊下で会ったジョヴァンニにこの前の礼をしたら、にやにやと微笑んで近づくと腕で小突いてきた。

 王太子ジョヴァンニと仲が良いかと言われると、割と良い方だった。彼は見かけや身分によらず、堅苦しいものを好まない。

 つまり、生粋の貴族があまり好きではないようだ。

 ……王族なのに、変わった奴だ。

「ジョヴァンニのおかげで……全て、上手くいった」

 ついこの前の誕生日の夜に何が起こったかと言うならば、それに集約される。