今まで失敗続きで、また、失敗してしまうかもしれない。そう思うと何か行動を起こすことが怖くなり、身体が萎縮して何も言えなくなる。

 怖くなって避け続けた結果、より苦手意識が強くなり、恋愛に対する恐怖と拒否感だけが強くなってしまう。

 私が正直な気持ちを伝えれば、ジョヴァンニはこれは困ったと言わんばかりに、両手を挙げていた。

「リンゼイは、告白さえ上手くいってしまえば、レオにすべてを任せた方が良いと思うよ。自分の意志では何かしない方が良いと思う。だって……」

「……ちょっとそちらの方、失礼致します!」

 真面目な顔をして恋愛相談中に不意に聞こえた高い声に、並んで座っていた私たちは同じように背後を振り返った。