「まず、恋愛対象だと思うと、緊張しちゃって喋れないです……それに、相手の望む答えが出せないかもしれないと思うと、より怖くなってしまうんです。会話が成り立たないと恋愛って難しくないです?」

「別に望まぬ答えを出して、失敗しても良いと思うけどね。何か気に障るようなことを言ってしまっても、レオなら話せばわかってくれるだろう」

 いえいえ……乙女ゲームだと選択肢間違うと、好感度が減るんですが!?

 しかも、レオナルドは最難易度で、三つある選択肢の内の二つが即バッドエンドに繋がるんです。弁解の余地なんてありますか?

 なんて……こんなことを、ジョヴァンニに、言えるはずもない。

 ジョヴァンニが言いたいことはもっともで、ここは『ここたた』の世界で間違えていないと思うけれど、選択肢は出て来ないし、私には自由な言動と自由な行動が許されている。

「……何か失敗して、少しでも嫌われてしまうのは怖いです」

 恋愛って下手な原因を……突き詰めて言ってしまうと、これなのだ。これしかない。むしろ、これ以外ない。