しかも、彼らの口ぶりからジョヴァンニはレオナルドと、かなり仲も良さそうだ。

 彼が女の子と共に居るところを見て、気になっていてもおかしくないはずだ。

「そっ……それは」

 そうなんです。そうなんですけど、まさかこんな事を聞かれるなんて思っていなくてっ……!

「いや……僕は別に良いんだけど、君って……レオの事を、好きなんじゃないの?」

 ジョヴァンニに確認された時、私は何も言えなかった。

 全くもってそれは図星だし、彼の言い方が完全に確信している。断定していると言っても良いかもしれない。

 ジョヴァンニ……そう言えば、一番簡単なヒーローだけあって、ヒロインの気持ちをこっちから伝えなくてもわかってくれる、エスパー並みの察しの良い男性だったかもしれない。

 だって、乙女の夢ってそういうことだよね。自分だってわからなくなる本音を先回りしてわかってくれて、包み込んでくれるように愛してくれる。

 これって、本当に正統派溺愛ヒーローだ……。

「……あの、わかります?」

 上目遣いで私が聞いたら、ジョヴァンニは呆れたように、小さくため息をついて頷いた。