「リディア! ……驚いたわ。信じられない。ジャイルズ公爵令嬢が、お茶会中にあのようなことをするなんて」
ナターシャ様が立ち去ってから近くに座って居たらしいイーディスが私の元へと駆けつけ、周囲は好奇心を隠せない騒めきで溢れていた。
きっと、これは面白いことが起こったと思っているに違いない。関係ない人たちにとっては、そう思えるはずだ。噂話はすぐに回るはず。
「イーディス。私も同じ気持ちよ……まさか、こんな事が起こるなんて、思ってもみなかった」
ナターシャ様のあの言葉は、私への明確な宣戦布告だ。私たちは貴族令嬢同士だけど、紳士が白手袋を投げられた時と同じようなもの。
レンブラント様と私は確かに、これまでに周囲から見て仲睦まじい婚約者同士であったかと言えば、そうではなかった。
私は彼には嫌われている程度がちょうど良いとまで思っていたし、レンブラント様だって私に好意があると今ではわかっているものの、何故か冷たい態度をとり続けていたことは確かなのだ。
ナターシャ様が立ち去ってから近くに座って居たらしいイーディスが私の元へと駆けつけ、周囲は好奇心を隠せない騒めきで溢れていた。
きっと、これは面白いことが起こったと思っているに違いない。関係ない人たちにとっては、そう思えるはずだ。噂話はすぐに回るはず。
「イーディス。私も同じ気持ちよ……まさか、こんな事が起こるなんて、思ってもみなかった」
ナターシャ様のあの言葉は、私への明確な宣戦布告だ。私たちは貴族令嬢同士だけど、紳士が白手袋を投げられた時と同じようなもの。
レンブラント様と私は確かに、これまでに周囲から見て仲睦まじい婚約者同士であったかと言えば、そうではなかった。
私は彼には嫌われている程度がちょうど良いとまで思っていたし、レンブラント様だって私に好意があると今ではわかっているものの、何故か冷たい態度をとり続けていたことは確かなのだ。