そういった彼女の思いが理解できずどうにか距離を縮めようと思ったが、わかりやすく優しくしても贈り物をあげても、彼女からの好感度は上がらなかった。
僕が持つ女の子から好意が上がる瞬間がわかる能力も、便利なようで不便なのだ。ときめく方法は教えてくれる訳でもない。
そして、出会ってすぐの時に僕は、睡眠不足の上で多忙過ぎて気が回らなかった事があり、リディアに『疲れているから、少し黙っていてくれ』と伝えた事がある。
……しまったと思った。すぐにしんとしたこの場を、なんとか取り繕う言葉を何か出さねばと。
しかし、リディアの周囲はきらめき、失態をした僕にときめいていることが知れた。
その時から、冷たい態度を取ったり素っ気なく対応したりすれば、リディアの周囲はきらきらして見えた。
僕には理解しがたいが、それは事実なのだ。
婚約者リディアに好かれたい僕は、彼女が望む通り喜んでもらえる通りに、冷たく接していた。
しかし、それはリディアに対し本来取りたい態度でもなかったので、実際のところ僕自身の欲はずっと抑圧されていた。
僕が持つ女の子から好意が上がる瞬間がわかる能力も、便利なようで不便なのだ。ときめく方法は教えてくれる訳でもない。
そして、出会ってすぐの時に僕は、睡眠不足の上で多忙過ぎて気が回らなかった事があり、リディアに『疲れているから、少し黙っていてくれ』と伝えた事がある。
……しまったと思った。すぐにしんとしたこの場を、なんとか取り繕う言葉を何か出さねばと。
しかし、リディアの周囲はきらめき、失態をした僕にときめいていることが知れた。
その時から、冷たい態度を取ったり素っ気なく対応したりすれば、リディアの周囲はきらきらして見えた。
僕には理解しがたいが、それは事実なのだ。
婚約者リディアに好かれたい僕は、彼女が望む通り喜んでもらえる通りに、冷たく接していた。
しかし、それはリディアに対し本来取りたい態度でもなかったので、実際のところ僕自身の欲はずっと抑圧されていた。