「あ。来た来た! ……リディア。今夜はレンブラント様と、どんな話をしていたの?」

 イーディスに明るく声を掛けられ、私は彼女の方向へと視線を向けた。

 ……ああ。さすが、私の親友! 来てほしいところに、来てくれたわ!

 私はグラスを片手に反対の手を振っていたイーディスの元まで急いで駆け寄り、そんな勢いに驚いて目をまんまるにしていた彼女の手を取った。

「イーディス! 聞いて。実はレンブラント様の恋愛指数が、なんと最高値『100』だったのよ! 嘘なのかと思って何度も確認しても本当なの。とても信じられないわ」

「恋愛指数が……? レンブラント様の恋愛指数が、最高値なの? けれど、彼はリディア以外の女性と親しく話しているところなんて、私は今までに見たことなんてないわよ」

 あまり大きな声では言えない話題に共に会場の隅に移動しながら小声でそう言ったイーディスは、私からレンブラント様の話を聞いて、とても戸惑っているようだ。

 彼女が何を言わんとしているのか、私にだって理解出来る。

 レンブラント様は婚約者の私以外の女性には、ほぼまともに話をしていない。