オルレニ王国を創った白の魔女が与えてくれる能力(ギフト)は、とても良いものだと思う。使い方さえ間違えければ、自分だけの楽しみを生むことだって出来る。

 個々に無作為に与えられるものだから、国民にも同じ能力を持っている人だって少ない。

 そもそも誰もが生まれ育った環境や持って生まれ持ったものも違うのだから、それは当たり前のことなのかもしれないけれど……。

「……リディア。申し訳ない……待たせてしまったね」

 私たちはいつものように王城でお茶をする予定で、少々時間に遅れたレンブラント様は、先に席についていた私への謝罪を口にしながら椅子に腰掛けた。