私は池の中に座り込んだままで、現在の状況になんだか笑えて来てしまった。

 こんな時だというのに、夕焼け空がとても綺麗だった。夜になるほんの少し前の瞬間、不思議な色の光が辺りを包んでいた。

 ほんの数時間前にはケーキが倒れて来たというのに、次は池の中に落とされてしまった。

 それもこれも、私がもっと婚約者である彼に素直になって、レンブラント様へ気持ちを伝えていれば、起こらなかったことなのかもしれない。

 とんでもない妙な事態が短時間に立て続けに続いてはいるけれど、これまでの私の行いの自業自得と言われればそれまでだもの。

 私は婚約者レンブラント様の冷たい態度がちょうど良いと思いつつ距離を取り、そんな中で一番に大事にしなければならない彼の気持ちを考えられていたとは、決して言えないのだから。