「あかね先輩帰ろー」

切り替えて5.6限目は難なく終えられた…。
のに…また朱里の声で心臓が速くなる。


「うん」

冷静に…冷静に…。


「うわあ今日も一緒に帰ってる」「あの二人お似合いじゃない?」「入る隙なさそー」「雨宮相手は勝てる気しねー」「本当に美男美女」


周りからの目線と小言はいつ止むんだろう。と考えながら朱里と学校を出た


「らいちゃんってさ、人の表情読み取る能力凄くない?」

「そーかなー?あ、でも、朱里の事照れてるって言ってたけど、私から見た朱里は涼しそうな顔してた。」

そういうところが朱里の言うらいの表情読み取る力なのだろう

「あ、俺も同感!らいちゃんがあかね先輩の事照れてるって言うからあかね先輩の事見たのに真顔だった。」

「ほんと?良かった。顔に出て無くて。」

らいに指摘されたからてっきり顔に出ていると思っていたのに、案外朱里にはバレて無かった。

「本当は照れてた?少しは俺のこと意識した?」

意識したも何も…いきなりキスされると思ってもいなかったし


「心臓痛いくらい鼓動してた。」

「ほんと!?俺も一緒!なんか嬉しいなーあー後、呼び捨てもすっげぇ嬉しい。」

とニコニコと笑う朱里に和む。

1回呼んでみると朱里呼びが何だかしっくりきてすぐ定着した。