近くの公園に着いたけれど
「あーやっぱり駄目か」
今は上がったが夕方近くまで降っていた雨のせいでベンチは使い物にならない。
「うちのエントランスで話す?」
「そーするー」
と同意を得たので、自宅マンションに戻りエントランスの席に腰掛けた
「らいちゃんから聞いたのは、男に言い寄られて困ってて学校以外の外出を控えてるって事ぐらいかなー」
「うん。とっても困ってる。」
「いつき君みたいにできる自信無いよ。」
「それでも良い、です。」
それはやってみなきゃ分からないし、今は
こっちはなりふり構ってられない…。藁にも縋る思いなのだ。
「本当は俺に縋るより藁に縋ったほうが良いかも。」
「待って、何が言いたいの?」
「要するにカップルもどきは無理ってこと。本当のカップル希望」
何処を要すると前言になるのか不明。
藁と本当のカップル希望にどう繋がりがあるのか。
「それでもいいの?」
なりふり構ってられないから、良い。と言わないといけないけど、引っかかる。
「何か企んでる?」
「うわあ、勘がいいなあ。あかね先輩」
とニッコリ極上の笑顔で見られた。