【で、今日会うの?会わないの?】
会いたいとは思わないけど、会わなきゃ現状変わらない。
会ったら変わる訳では無いだろうけど、やっぱり会わないことには何も変わらない。
【会わなきゃ現状変わらないでしょ?会うしかないんじゃない?早いほうがいいでしょ】
自分の思っていることが相手から送られてきてドキッとしながら、
【会います。】
と送信した。
【はーい!そしたら家教えて!迎え行くよ。外怖いでしょ?】
顔も何も知らない相手の文面だけで文の意味以外の何かを読み取ろうとするのは無意味だと分かっているのに、
あーこういう優しさ駄目だなー。
今弱ってるから余計染みる。
らいが言ってくれたのだろうけど、それでも胸がジーンとした。
相当弱っているな。
あー弱っているからイライラしたり少し優しくされるとジーンとしたり感情が忙しないのか。
……
「はじめまして。早川(はやかわ)あかねです。わざわざ来てくれてありがとう。」
「知ってる、知ってる!有名人だもんねー!雨宮朱里(あまみやしゅり)ね!」
私の手を握ってブンブン握手する朱里くんが自宅のマンションの下に到着したのは18:00過ぎだった
「近くの公園行こうー!」
元気な朱里くんは何処となくるい君に似ている。
身長は高くてスラッとしている。顔は中性的。少し童顔で、でも雰囲気は大人っぽくて、髪は黒色で丁寧にセットされていて、清潔感があって、女装したらその辺の女の子より可愛いんだろうけど、やっぱり男の子で、手は大きい。
本人には言えないけど申し分ない容姿。
「うん」