「あかねー!おはよ!」
時は進み、今日は先輩方の卒業式。
教室で声を掛けてきたのは友人のらい。
「おはよ。らい、気合い入ってるね。」
「もちろん!朝から美容院行ってセットして準備満タン」
とお化粧もいつもよりバッチリで、とても華やかだ。
「るいの卒業式だし他にも仲良い先輩いるからねー気合入っちゃった!」
「らい、綺麗だよ。」
あまり言い慣れない言葉ではあるけど今のらいには適切な気がしてそう伝える。
「ずっきゅーーーーん!もっかい!言ってーーー!あかねー!」
教室で大声でらいが叫ぶもんだから、クラスメイトが一斉にこちらを向く。
「何!?何事!?」「あかねが私を綺麗って笑ってくれたー!心臓持ってかれたー!どんなにイケメンに言われるよか嬉しいー!泣けるー!」「らいちゃん頑張った甲斐あるぅー!」「えー!あかねちゃんが笑った!?絶対可愛いじゃん!!」「笑顔みたーい!」「既に真顔だけどー!」「えーってかあかねちゃん絶対ウチらのことうざがってるー!」「すっごい睨んでるもーん!」
らいが廊下走り周りながら「あかねが笑ったー!」「あかねに綺麗って言われたー」とはしゃぐあまり、普通科の教室からも人が出てきて朝から大騒動になった。
らい、勘弁して…。
キーキー声に頭痛間近の頭を抑えた。