いつき先輩との偽カップルに進展などある訳もなく、話す内容も思い付かない。


「進展無くても楽しいものなの!?今の高校生はそんな淡白なの!?ねぇ!どーなのよぉーーー?」


と酔っ払った百合ちゃんが私に寄り掛かる。
なんだかんだ数十分でワイン半分以上飲んでる。この人。



「楽しいってか幸せなんだよね。」

いつき先輩と偽カップルとなったあの日から、
男の子に告白される事が減っていって今では全く無くなった。
校内ストーカーもいなくなり本当に安心して学校生活を送れている。
入学早々転校の危機があったなんて今では、嘘みたいに思う。


「本当に幸せで、離れ離れになるのが惜しいよ…」

「そっかぁ、あかねが幸せで私も嬉しいぃなぁ。」


いつき先輩は私が男絡みで困った時はいつでも駆けつけてくれて助けてくれた。


まぁこちらもいつき先輩が女絡みで困った時は一目散に助けに行ったしお互い様ではあるが。


「クール同士の遠距離恋愛って心配すぎるけどおし…あ…わせ…に」


って、あっ

寝てる…百合ちゃん私に寄りかかったまま寝ちゃった…


こうなったら起こしても無駄だな。
面倒だし、近くのソファーに百合ちゃんを寝かせ、毛布をかけて、自分の寝る準備を終え、眠りについた。