苦手な夏が終わり過ごしやすい季節がきた。


「あのさ、あかね」


そう私に声を掛ける私の彼氏の横顔を一瞬見て、また進行方向へと目線を移す。

本当に顔面偏差値高いなー…


「あ、はい。」


たまに一緒に帰るようにしているが、二人共無口な為、特に話すことはない。

だが今日は私の彼氏のいつき先輩が口を開いた


「県外の大学が決まった」

「おめでとうございます!」


夏頃から推薦の話が出ており、その話はたまに一緒に帰る日に聞いていた。

第一志望の大学へ指定校推薦で入学…


「いつき先輩凄いですね。」

「ありがとう。大した事ないけど。」


謙遜なのか本心なのか無表情な彼からは読み取れない。