戦場での結果を陛下にお伝えする。陛下は私を見るなり、にやにやと笑っていた。
「何をそんなに笑っておられるのですか?」
「いや、最近ハリットと仲良くしているようだから微笑ましいと思ってね」
「あの陛下、ハリット様の婚約者の話ですがその後どうな」
「え? なんのことかな?」
これは陛下に一杯食わされたようだ。
私はじとーっと陛下を見る。
「みんなハッピーが一番だろう? それにラローシャ。君には幸せな結婚を望んでおる。君ならハリットを任せられる。これからもよろしく頼むよ」
私は照れながらも、陛下に深くお辞儀をした。
「ラローシャ!」
ハリット王子がやってくる。
私はらしくもなく、ほんの少しだけ微笑んだ。
今だから、自分の気持ちがわかる。
自分の気持ちに正直になれる。
私はあなたが好きだ。
完