永亜(とあ)はガラス扉の横で那成(ななる)たちが走り抜けるのを待ちながら、体勢を立て直したピカピカうさぎに向かって、懐中電灯を投げつける。

 全員が現実のスーパーへ出たのを確認して、最後に裏スーパーを出た永亜(とあ)は、ガラス扉を全身で押して、ピカピカうさぎを裏スーパーに閉じ込めた。




乃花(のか)!?」


「ひぐっ、お母さぁん…っ!」




 とつぜん、どこからともなく現れた乃花(のか)の姿を見つけた母は、おどろきの声をあげながら乃花(のか)たちに()け寄る。

 乃花(のか)は母の顔を見ると、母に手を伸ばして「うわぁぁぁぁん!」大きな泣き声をあげた。